日本選手権1回戦 「関東学院大学 vs. タマリバクラブ」 マッチ・レポート
クラブ委員会トップページへ 神奈川県協会 康乗克之
感動!日本選手権初の「神奈川ダービー」 写真はクリックすると拡大されます。

 2月3日、快晴の秩父宮ラグビー場において日本選手権が開幕した。1回戦第2試合は、学生チャンピオンの関東学院大学と全国クラブ大会の覇者タマリバクラブの対戦。第1試合(早稲田大学 vs. 九州電力)を上回る観衆が見守るなか、午後2時に関東学院のキックオフで「神奈川ダービー」が始まった。

 体格とスピードの両面で勝る関東学院だが、序盤はタマリバの火の出るような気迫に戸惑い、攻撃の糸口がつかめない。大方の予想に反してタマリバのペースでゲームが進むが、13分に関東学院FL竹山選手が22m中央のモールから抜け、左中間に先制のトライを決めた。さらに18分、22m右サイドのラックからCTB高山選手がこぼれ球を拾い、そのままゴール下に飛び込みトライ、GKも決まり14-0とした。

 関東学院は接点での攻防で優位に立つが、タマリバの粘り強いディフェンスに阻まれ、なかなかゲインラインを突破することができない。そして30分、タマリバの逆襲が始まる。関東学院ゴール前中央のラックから右に展開、FB勝田選手が右隅にトライを決める。続いて40分、ゴール前右サイドのラックからHO中村選手がワンプッシュで持ち込みトライ。トライ数はイーブンながらGKの差で14-10と関東学院がリードして前半を終えた。

 前半終了間際に、関東学院OBのタマリバSO竹山選手(関東学院FL竹山選手の兄)がスーパープレーを演じた。自陣ゴール前からダミーをかけて独走、トライには到らなかったが後輩たちに強烈な一発を見舞った。後半のタマリバの奮闘は、このプレーから始まった。

 後半5分、今度はタマリバが先制した。関東学院ゴール前中央でモールを形成し、右寄りに押し込み最後はLO高田選手が押さえる。GKも決まり14-17と見事逆転に成功。

 関東学院の思わぬ苦戦に、スタンドから檄が飛ぶ。ひときわ大きな声援は、横濱ラグビーアカデミーの子供たち。声を揃えて自分たちのヒーローに声援を送っていた。一方、スタンドに詰め掛けた多くのサラリーマンラガーは、「ひょっとして。。」の期待をこめて、タマリバ頑張れ!を連呼する。

 しかし、関東学院が10分、12分と、ラックから安定した球出し、バックスが走り切るパターンでトライを連取。タマリバの執念ともいえるディフェンスは衰えることなく緊張感のあるゲームが続くが、15分を過ぎた頃からタマリバ選手の集散が遅れ始め、徐々に関東学院が本来の力を見せ始めた。

 結局、後半5トライを奪った関東学院が47-17でタマリバを下し、2回戦に駒を進めた。学生王者の関東学院が強さを見せつけた一戦であったが、彼らと互角に戦い惜しくも敗れたタマリバにも同じだけの賞賛を送りたい。

 ノーサイドの後、秩父宮のラグビーファンはスタンディング・オベーションで両チームの健闘を称えた。(神奈川県協会 康乗克之)